地域の大きな悩みの「空き家問題」が進展しないのはなぜか。

2022年4月28日 氣田浩司

平成27年に政府が発表した『空き家対策の推進に関する特別措置法』の内容は非の付け所がないくらい完璧な対策であると思う。

この通り空き家対策が進めば日本から空き家問題は減っていくはずである。

しかし、地域の大きな悩みの「空き家問題」が進展しないのはなぜか。

いくつかの自治体の空き家対策の概要を拝見してみた。

そこで見えたものは、自治体の対策内容に政府が発表した内容をそのまま移し替えているだけのものもいくつかあった。

地域には季節性、環境、文化、住まう人の特色など様々である。

批判覚悟で申し上げれば、国が出した方針に従うことは当然だが、それらを各自治体に落とし込んで自治体に合った対策を講じなければ意味をなさない。

立派でお屋敷のような古民家は有志達がカフェやコミュニティの場として活用を見出している。素晴らしいことだと思う。

しかし、一番の問題は景観と危険度だと私は考える。

先日伺った山形県の西川町では「空き家の外壁損傷や窓ガラス等の割れなど通学する子供たちも危険」との声もある。

解体するのか、生かすのか。

売却するのか、所有者自身で活用するのか、賃貸に出すのか。

リフォームや解体をするとしても資金はどうするのか、その後どのように運用するのか。

先祖から預かった土地建物、近隣との関係。

課題は山積みである。

他にもある。

地域が支えてきた公共施設(廃校や公民館など)の利用者が少なくなり活用されていないものも多数存在する。それらの活用方法。

地方だけの問題ではない。

都市部にも複雑に絡み合った権利関係や借地、相続による課題。

地域にはこれらを解決出来る専門家はたくさんいる。

その専門家が力を合わせ地域の空き家問題に取り組めば課題は解決できるものと信じている。では何が足りないのか。

対話である。

地道な活動にはなるが、対話の中から感情や金銭的なこと、歴史と未来を掛け合わせることができれば空き家問題は必ず解決の方向へ進む。

私たちはそのリーダーとして地域へ官民金学と協力し未曽有の問題へチャレンジをしていく決意がある。

これから各地域へ当社がお伺いすることも増えていくと思いますので是非共に悩み共に動き共に解決をしていきましょう!